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Mikaboshi01
2024年3月29日読了時間: 6分
『土狭日記』第五回 「地元」の輪郭⑤ ―私の「地元」― 鈴木基弘
「どうとりくめばよいのか、わたしにはもうわかっていた。六マイル手前ではまだ何もわかっていなかったのに。突如として直観されたのではない。少しずつ確かな感触を帯びて、まるでどこかの場所を知ってゆくように意味を感じとっていったのだ。場所に身を投じたなら、場所は私たち自身を投げ返し...


Mikaboshi01
2023年12月21日読了時間: 12分
『土狭日記』第四回 「地元」の輪郭④ ―綱島― 鈴木基弘
橋を渡るときには、いつも不思議な感覚を抱く。 それは「橋」というものが、広く境界にかかわるものであることと関係しているのだろう。 かつて川は交通途絶の最たるものであり、ひとつの地域・社会の連続性が絶たれるところとして存在してきた。今日でも川を県境・市境としている例は少なくな...


Mikaboshi01
2021年8月6日読了時間: 14分
『土狭日記』第三回 「地元」の輪郭③ ―南加瀬― 鈴木基弘
6月に入り、我が街もとうとう「まん延防止重点措置」の対象地域に指定されることになってしまった。相変わらず気の滅入る日々が続いている。他方で、慢性的に自粛を要請されているコロナ禍下の生活において対象地になったからといって何かが大きく変わるわけではないだろう、そんな諦めと疲労を...


Mikaboshi01
2021年1月14日読了時間: 7分
『土狭日記』第二回 「地元」の輪郭② -恵比寿・武蔵小山― 鈴木基弘
本誌とも所縁のある国文学者・松田修に、『日本人の旅意識』という小論がある。松田はこの小論のなかで、古代から近世に至る日本人に通底する旅意識として、いくつかの特徴的な要素を抽出している。ざっと取り上げると、往還性(故郷回帰)、流浪の無目的性、紀行の希薄さ、中央(ミヤコ)に対す...


Mikaboshi01
2020年12月9日読了時間: 7分
『土狭日記』第一回 「地元」の輪郭① -小田原・町田- 鈴木基弘
いつを起点にすればよいのかよくわからないが、コロナ禍と呼ばれる状況になって、少なくとも半年以上が経った。 この間、多分にもれず諸々の制約を受けながら日々の生活を送ってきたわけだが、自分にとってもっとも大きな変化とはなんだったのだろうか。...
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