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小寺瑛広

松田修資料アーカイブ事業「ウラ話」① 小寺瑛広

 3月8日(令和2年)、「松田修資料アーカイブ事業」の調査が行われました。

 調査も2年目に入り、今回も松田修の交流・交友の広さを裏付ける、貴重な資料が見つかりました。その「大発見」は『甕星』本誌でお伝えしようと思いますが、このウェブ記事では、とっておきの裏話をお伝えしていこうと思います。

●松田修の「流行語」?

 松田修はしばしば著書で、後進に影響を与えるような魅力的な言葉を生み出しています。そして、それは松田修の学問世界を語る上で欠かせないキーワードでもあります。

今回の調査でも、松田がある時期に多用したフレーズを題した原稿が見つかりました。

















「エグザイル秋成」「エグザイル源内」「源内における救済としてのエグザイル」  


 「エグザイル」とは本来、「亡命」という意味ですが、現代日本に生きる私たちには、どうしても「髭を生やして飛び跳ねる男たち」の姿が浮かんでしまいます。実際、わたしも上田秋成や平賀源内がサングラスをかけ、光モノの衣装をまとった姿を想像してしまい、しばらくの間は何とも言えないモヤモヤ(ニヤニヤ?)を抱えながら整理を進めました。

 この原稿がいつごろ書かれたのか、はっきりしたことはわかりませんが、ある時期、「エグザイル」が松田修の中で流行語であったことは間違いないようです。

●おまけ

 松田修はときどき、不思議な分類を残すことがあります。『甕星』5号では、「ねこ原稿」と書かれた封筒に猫に関係ない資料が入っていたお話を書きましたが、今回もありました、こんなのが…。




















「葉隠に直接関係なし」


 私が見ても、「葉隠」との関連性が一切わかりませんでした(笑)松田先生、これは何だったのでしょうか…?

小寺瑛広(日本近代文化史・松田修資料アーカイブ事業学芸担当)

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